カテゴリー「Bar」の記事

2006/04/28

Bar ODIN(バー・オーディン)

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 まだ私が代官山で働いていた頃、そう、もう7年位前になると思う。一度このBarで飲んだことがあった。
 その時の私は、回週末になるとBarへ繰り出し、沢山のことを教えてもらっていた覚えがある。まだ働き始めのひよっこには、Barで楽しむなどという余裕もなく、ただただ緊張し、バーテンダーさんの動きに見とれつつ、その後ろにある酒の多さに驚いていた。
 
 そんな状態だったから、「酔う」なんてことは全くできなかった。純粋にBarに飲みに行って楽しめるようになったのはここ数年のような気がする。

 今となっては、Barカウンターの後ろに並んでいる酒瓶を見ても大体銘柄が分かるようになり知らない酒のほうが少なくなって来たのだが、このBarだけは少し勝手が違っている。並んでいる酒の殆どが全く分からないものばかり。さらに分かる銘柄でも、そのボトルはいつの時代の物か判別がつかない。

 そんなBarであるから酒好きの私としては非常に心躍るBarなのだが、今宵は非常に珍しくゲストと一緒だったので少し押さえ気味に酒の時間に入っていった。

 まず私は、いつもの同じようにギムレットを頼んだ、ゲストはホワイトレディを。奇しくも同じジンベースのカクテル。今日は結構暑かったので、ジンとライムの爽やかな感じがいい。初めてこのBarに入った時もギムレットを注文したことを思い出す。
 お互い一杯目を飲み終わった後、バーカウンターを見るとなにやら赤い物体が・・・トマトである。話を聞いてみるとトマトは冬から5月の頭にかけては置いてあるらしい。これはあれを飲むしかないということで、二杯目はブラッディメアリーを注文した。

 普通のトマトジュースではなくフレッシュトマトをその場で絞って作られた紅梅色のブラッディーメアリーは、表現するのが難しい・・・新鮮なトマトの味わいを前面に出したおいしいカクテルだった。なにやら、ゲストは国産のグレープフルーツを使ったカクテルを頼んだようで、溌剌とした香りが隣の私まで香ってきた。

 さて、その後二人で名物のモスコミュールでしばし感動した後、そろそろ茶色い酒を行こうかということでバーテンダーさんに持ってきてもらう。
 ゲストは、アイラモルトが好きだと言ったのを聞いたバーテンダーさんが持ってきたものが写真の酒である。ラフロイグの10年なのだが、作られた時代が違う。1970年代のラフロイグ。手前はオフィシャルのボトルで左奥が同じ70年代のものなのだがドイツのボトラーズ物らしい。どちらも普通には手に入らない代物なので迷っていたのだが、「オフィシャルのほうがいいですよね?」と笑顔で言われたので、「それでお願いします」とついつい返してしまった。ゲストはポート・エレンを所望した。このボトルも見たことのないものだ。
 さて、目の前に出されたのは普段飲んでいるラフロイグとは似ても似つかない濃い茶色の液体だった。香りを確かめてみる・・・ラフロイグの特徴的な香りはするのだが、いわゆる刺激的な強い香りはしない。それよりももっと甘いような感じがする。一口飲んでみる。

・・・

・・・

・・・

少し、時間が止まった。


 ここまで滑らかな、ラフロイグ・・・と言うより今まで飲んできたスコッチにはない味わい。これは旨い。

 ラフロイグの好きだと言っていたゲストにも飲んでもらったが、やはり初の体験だったらしい。バーテンダーさんとの酒の話が弾む。私とゲストバーテンダーさんのトライアングル。この空間だけ別次元になっていた。

 少し冷静になって周りを見渡すと、すでに店内は一杯になっていたようだ。酒や料理、はたまた宗教の話などしているうちにかなり時間が経っていたらしい。
 最後にコニャックを頼んで、店を出たのは22:30頃、楽しい時間が経つは早いもの。 後ろ髪を引かれる思いで、楽しい空間から店のドアを開けて現実へと戻っていく。


データ
Bar ODIN(オーディン)
JR恵比寿駅西口からすぐ。詳しくは上記HPで確認してください。

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2006/03/03

銀座にて、Y&M Bar KISLING

 久々に銀座の街を歩きたくなって、いつもの地下鉄を途中下車し銀座線に乗った。金曜日の18:00ということもあり銀座駅で降りる人が多い。
私は銀座4丁目交差点の出口から地上に出て、ゆっくりと周りを見渡す。

 雨上がりで、少し寒い銀座の交差点は人で溢れていた。みな少し身を屈める様に歩いているのは、3月とは言えいつもより気温が低いからだろう。

 今日行くBarを決めていなかった私は、散歩しながらどこに行こうか考えることにした。交差点から足は南(新橋方面)に向かっている。途中でMori Barのオーナーバーテンダー毛利隆雄氏とすれ違う。(もしかするとそっくりな人かも知れないが)
 松坂屋を過ぎ交差点を曲がって、何も考えず外堀通り方面へ。フェラガモを横目に足を進める。

 外堀通りまで出てふと足を止めた。すれ違ったときに既に行き先を決められていたか?もうMori Barの看板が見えている。

 そこでしばし考える。

 スペインバルで軽く飲むか・・・それともこのままMori Barか?
 Mori Barで決めかけていたのだが、そういえばMori Barのオーナーバーテンダー、毛利隆雄氏のイニシャルが入った店が出来たことを思い出す。

 小さなビルのエレベーターを上がって7階へ。

 大きなガラスが入った木製のドアの金属製のドアノブに手をかけるのに少し躊躇する。
初めてのBarのドアを開けるときはやはり緊張するものだ。

 緊張しながらドアを開けると、カウンターの真ん中に通された。このBarの店名にも入っている「モイーズ・キスリング」の絵が目の前に飾ってある。
どうやら私がファーストゲストらしい。

 奥から白いバーコートをピシッと着た白髪のバーテンダーがいらっしゃった。このBarのYこと吉田貢氏である。
銀座で昭和34年からBar「よ志だ」でオーナーバーテンダーをされていたのだが平成16年に店を畳んでしまい、今はこのBarをMこと毛利隆雄氏と一緒に開いている。

 「よ志だ」に行く機会がなく店がなくなってしまったので、一度も飲むことが出来なかった。だが今宵はついに飲むことができる。

 まずはお通しのコンソメスープを一口。外が寒かったので体が温まる。
 一杯目はギムレットをオーダーした。無駄のない動きで作業が進められていく。綺麗な白薄緑の液体がカクテルグラスに注がれて私の目の前に出された。

 ハードシェイクではないので氷が表面に浮かんではいない。。。しばしカクテルを見つめてしまった。

 「一杯目で、のどの渇きを潤してください」

 そう言われてふと我に返る。口をカクテルグラスに近づけてまず一口。冷たい氷のような液体が口の中が広がり、ジンとライムのの香りが鼻を抜けていく。
 きっちり仕事をされたギムレットは、素晴らしかった・・・しばし考えつつ冷たい液体を口の中に運んでいった。

 何杯か飲んで、自分の世界に浸るうちに周りを見るとカウンターは、既に一杯になっていた。
 さて。最後は・・・吉田氏のマティーニを・・・と思ったのだが、既に自分のアルコール許容量を越していたらしい。後ろ髪を惹かれる思いでチェックをしてもらう。

 狭いエレベーターを降りて外に出ると冷たい風が心地よい。今宵は、酔うのも忘れてBarの空間にゆったりと居れた様だ。程よい緊張感と気持ちよい空間がある良いBarだと思う。

 まだ夜は始まったばかりで、相変わらず銀座の街は人が多い。

 次は必ずマティーニを飲もう。そう考えつつ、銀座4丁目の交差点に向かい足を進める。


店名:Y&M Bar KISLING

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2005/05/25

Bar コレオス

今宵の止まり木は、渋谷のBarで・・・

渋谷のBarコレオスにいっていきました、雨が降っていたのですが中途半端な時間に仕事が終わったのと、最近いろいろあったのでふらふらと、落ち着ける場所がほしかった。

Barっていろいろなタイプがありますが、適度に落ち着いて飲める場所が良い。
たまには、がっちり緊張するところもいいんですけども、飲んだ感じがしない。オーセンティックBarについてはなかなか腰を落ち着けて飲める場所がないんです(私には)。
そういう場所は、ある程度気合を入れていかないと疲れてしまう。

コレオス(旧コレヒオ)はオーセンティックなBarながら落ち着いて飲めるBarの1つです。

Barでは普段飲めないようなお酒が飲める。酒の話を肴に会話が広がってゆく。
普段の空間を忘れて、異空間にいるような感覚にしてくれる。
それが私にとってのBarです。普段と違う空間に身を任せ、現実から少し距離を置いて楽しめる場所でもあります。

先ずはギムレットで喉を潤しつつ今宵の準備をする。Barカウンターの中の酒瓶を見ながら今宵のコースを考えるのが楽しい。
二杯目は目の前にあったフランジェリコ(ヘーゼルナッツリキュール)でオリジナルカクテルを。

ラストに、ラ・グランドリュ(ブルゴーニュのGrand Cru)を作っている造り手のマール(Marc de Bourgogne 1961)を・・・香りが普段いる感覚を忘れさせてくれます。

薄暗い、世間とは隔絶された空間で上質の酒を楽しむのは、最高の贅沢だと思います。

Barの扉を開けると現実が在るのは分かっているけれど、もう少しだけ・・・

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