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2008/05/18

Cuvee Marcel Lapierre N/V(2003)(キュヴェ・マルセル・ラピエール)

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 今宵の一本は再び趣向を変えまして、ボージョレのワインを開けております。造り手は、ある意味ボージョレのビオディナミを語ると必ず出てくるであろう、マルセル・ラピエールです。そしてこのワインは、ブドウの出来が良い年のみしか作られません(近年では2000,2003,2005)。2003年は記録的な酷暑で、そんなに良いヴィンテージではないと個人的に思っているのですが、自信を持ってリリースしてくるところを見ると、ここのブドウについては良い年だったのでしょう。
 ここは、一般的なボージョレのイメージ(いわゆる華やかなヌーヴォー)をぶち壊すワインを造っています。アルコール度数からして南仏やカリフォルニア並みの14%・・・。「軽くボージョレでも飲もうかな♪」といった気分のときに開けるようなワインではありません。(軽めの赤を飲むときはボージョレあたりが候補に挙がってくるんですよね)

 さてさて、早速飲んでみましょう。色からして濃いww香りは、プラム、ブラックベリー、チェリーなどの黒い果実の香りがメインで他にはスミレなどの花の香りも。正直このワインをブラインドで出されたら、ボージョレと答える自身がありません。味わいは・・・濃い・・・。果実味が凝縮されていて本当に力強い味わいです。とは言いつつも強いだけではなく全体としてのバランス(酸、タンニン)も悪くはない。できれば肉を食べながら飲むのがいいと思います。
うーんガメイとは本当に思えない・・・


ちなみに地域や畑などの情報は特に書いていませんが、『モルゴン』のブドウを使用しているようです。
だったらAOCで出せるはずじゃないと・・・少し調べてみたらアルコール度数が高すぎてINAOからAOCの認定がもらえなかったと言うことのようですね(官能試験で引っかかった)。

ワイン
作り手  :Marcel Lapierre(マルセル・ラピエール)
銘 柄  :Cuvee Marcel Lapierre N/V(2003)(キュヴェ・マルセル・ラピエール)
格付け  :Vin de Table(ヴァン・ド・ターブル)
セパージュ:ガメイ100%
価 格:3,500円

=======2008/5/26追記 格付について=====

フランスやイタリア、ドイツ、スペイン等々多くの国ではワインに関する法律が整備されています。とりあえずフランスでは・・・
 ・AOC(原産地呼称統制ワイン)
 ・AOVDQS(上質指定ワイン)
 ・Vin de Pay(地酒)
 ・Vin de Table(テーブルワイン)
というカテゴリーに分かれています。この表記についてはラベルを見れば必ず書いてあります。

たとえばボルドーのAOCワインなら、Appellation Bordeaux Controllee
と書いてあります。この場合ボルドー地方の指定されたブドウ・栽培方法、等々で作られたワインということがわかります。

もう一個ブルゴーニュの場合
Appellation Bourgogne Controllee
となればブルゴーニュ地方全体で表記可能なのですが、たとえば高いワインで有名なロマネ・コンティは、
Appellation Romanee-Conti Controllee
と表記されています。ロマネ・コンティの畑自体がAOCとして認められているということです(ブルゴーニュの場合は畑自体の認定もある、他の地方ではもっと大雑把なものが多い)。

Appellation なんとか Controllee
の『なんとか』に入るもの

大きな順から(ボルドーの場合)
地方(ボルドー地方) >地域(メドック地区)> 村(マルゴー村)

ブルゴーニュの場合(一例)
ブルゴーニュ(地方) > 村(ヴォーヌ・ロマネ村) > 畑(ロマネ・コンティ)

範囲が狭ければ狭いほど、お値段は高くなる傾向にあります。

たとえば宮城県でブランド米を作っているとして市役所付近から収穫できる米が最高だとします。

宮城県 > 仙台市 > 青葉区 > 国分町三丁目

要は、宮城県で収穫できた米は宮城県のラベルでは出せますが、仙台市(仙台市で収穫できた米ならOK)や青葉区(青葉区で収穫できた米ならOK)のラベルはつける事ができないということです(逆にわかりにくいか?w)。

ロマネ・コンティの場合、ロマネ・コンティの畑から取れたブドウでなければ、その名前は名乗ることができません。

やっと今回のワインですが、本当ならばボージョレ(地域)>ボージョレ-ヴィラージュ(指定地域)>モルゴン(村)
というなかのモルゴンを名乗ることができるはずだった(最低でも(ボージョレ)のですが・・・AOCの認可を受けるには、

1. 生産地域
2. 品種
3. 最低アルコール度数 : 収穫期のブドウの糖度にも規定がある。
4. 最大収穫量 : 1ha当たりの最大収穫量が規制されている。生産量を増やしすぎて土地がやせ、ブドウの品質が落ちることを防ぐ。
5. 栽培法 : ブドウの樹齢が5年を経過していること、など。
6. 剪定法 : ブドウの樹の種類を考慮し、産地によっても異なる。
7. 醸造法 : ミュスカデ、ロゼワイン、シャンパーニュなどの発泡ワインには特別に規定がある。産地によって異なる。
8. 熟成法 : ボジョレー・ヌーヴォーの発売日や、発泡ワインの熟成法は特に厳密に定められている。
9. 試飲検査 : AOCワインのすべてが、試飲検査を受けなければならない。

という規定を満たさなければなりません。この規定は地域ごと(AOC毎)に変わります。

この認定が通らなかった場合はAOCの表記をすることはできず、多くの場合、Vi de Pays(地酒)やVin de Table(テーブル・ワイン)として世に出回ることになります。

最近はあえてAOCをとらないものも出てきているので、格付が高い=品質高い、格付が高い=美味しい というわけではありません。

詳しくは、今度フランスワインを開けるときに書こうと思います。
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コメント

テーブルワインという格付けって?

認定には度数まで関係あるんですね。
逆に少しの差で認定されなかった美味しいワインがたくさんあるということでしょうか。

シャンパンと桜の画像いただきました♪
ありがとうございます。

投稿: しゃーしゃん | 2008/05/25 22:44

>しゃーしゃんさん

格付についてコメント欄だけでは書ききれないので、本文に追記しました。

ちょっと長文になりますが・・・

投稿: ネコまっしぐら | 2008/05/26 22:29

丁寧な解説、感謝感激です。
なるほどね~。
我が宮城県を例に出していただきよく理解できました。

確かに、ボージョレよりボージョレ-ヴィラージュのほうが
コクがあるけど飲みやすくて好きですし、
ちょっと高いですよね。
そういう理由というか区別があったのですね。

投稿: しゃーしゃん | 2008/06/01 00:21

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